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オーバードーズとは?原因・リスク・対処法と支援の受け方

2025.11.01

「もう、つらいのは私だけ…?」

SNSで目にする「OD」の文字。オーバードーズという言葉を知って、自分も…と不安になっているかもしれません。もしかしたら、すでに経験してしまって、どうすれば良いか分からず困っているのかもしれません。

大丈夫。あなたは一人ではありません。この記事では、オーバードーズのリスクや、もしもの時の対処法、そして、あなたを支えるための相談窓口について詳しく解説します。正しい知識と、適切なサポートがあれば、必ず未来は開けます。一緒に、一歩踏み出しましょう。

オーバードーズ(OD)とは?

オーバードーズ(OD)とは、薬物や薬剤を過剰に摂取することにより、深刻な健康被害や生命の危険を招く行為を指します。近年、SNSなどを通じて安易に情報や薬物が流通するようになり、特に若年層におけるオーバードーズが社会的な問題となっています。このセクションでは、オーバードーズの定義を明確にし、それが引き起こす身体的および精神的なリスクについて、読者が正しく理解できるよう解説します。正しい知識は、オーバードーズの予防、そして万が一の場合の早期発見・対処へとつながります。

オーバードーズの定義

オーバードーズ(OD)は、意図的か否かにかかわらず、推奨される量や安全とされる範囲を超えて薬物や薬剤を摂取することを具体的に指します。この過剰摂取は、身体に急激かつ深刻な悪影響を及ぼし、最悪の場合、死に至ることもあります。近年、SNSの普及により、危険な薬物に関する情報や入手方法が容易に共有されるようになり、オーバードーズが若者を中心に増加していることが懸念されています。市販薬(OTC薬)や処方箋が必要な医薬品であっても、不適切に使用したり、過剰に摂取したりすることがオーバードーズの原因となるケースが多く報告されています。

オーバードーズのリスク:身体的・精神的影響

オーバードーズは、摂取した薬物の種類や量によって多岐にわたる深刻な身体的および精神的影響を引き起こします。身体的な影響としては、まず呼吸抑制が挙げられます。これは、呼吸が著しく遅くなったり、停止したりする状態であり、生命を脅かす最も危険な合併症の一つです。また、心臓の機能が停止する心停止、急激な血圧低下、体温の異常、そして意識を失う、昏睡状態に陥るといった中枢神経系の重篤な障害も起こり得ます。場合によっては、脳や臓器への不可逆的なダメージが生じることもあります。

精神的な影響もまた深刻です。幻覚や妄想といった精神病様の症状が現れることがあります。これは、現実とは異なるものを見たり聞いたり、あるいは強い疑心暗鬼に駆られたりする状態です。極度の不安感、パニック発作、抑うつ状態の悪化なども報告されています。さらに、オーバードーズを繰り返すことや、それに伴う精神的な苦痛は、薬物依存症へと発展するリスクを高めます。依存症になると、薬物なしではいられなくなり、生活全般にわたる破綻を招く可能性があります。

オーバードーズをしてしまったら?緊急時の対処法

オーバードーズは、誰にでも起こりうる深刻な緊急事態です。万が一、ご自身や大切な人がオーバードーズの疑いがある状況に陥った場合、迅速かつ冷静な対応が命を救うための最も重要な要素となります。このセクションでは、そのような緊急時に取るべき具体的な応急処置と、医療機関へ適切に連絡するための手順について、分かりやすく解説します。パニックに陥らず、確実な行動をとるための実践的な知識を提供し、一刻も早い救助活動につながることを目指します。

応急処置

オーバードーズが疑われる場合、救急車が到着するまでの間に行える応急処置は、患者さんの状態を安定させ、さらなる悪化を防ぐために非常に重要です。まず、患者さんの意識レベルを確認してください。呼びかけに反応があるか、どのような反応をするかを観察します。意識がない、または反応が鈍い場合は、気道を確保するために、患者さんを横向きの回復体位(横寝姿勢)にしてください。これにより、嘔吐物による窒息を防ぐことができます。

絶対に無理に吐かせようとしないでください。薬物によっては、吐かせることで食道や気管を傷つけたり、意識がない状態では誤嚥(ごえん)を引き起こしたりする危険性があります。患者さんが寒がっているようであれば、毛布などで体を温めてください。呼吸が浅い、または不規則な場合は、心肺蘇生法(CPR)の準備も念頭に置く必要がありますが、まずは救急隊の指示を仰ぐことが最優先です。患者さんのそばを離れず、継続的に状態を観察し続けてください。

医療機関への連絡

救急車(119番)や医療機関への連絡は、迅速かつ正確な情報伝達が求められます。電話をかける前に、落ち着いて以下の情報を整理しておくと、スムーズに対応できます。

まず、現在地(住所や目印になる建物)を正確に伝えてください。次に、患者さんの状態について、意識があるかないか、呼吸はしているか、脈はあるか、顔色などを具体的に伝えます。もし可能であれば、どのような薬物や物質を、いつ頃、どのくらいの量摂取した可能性があるのかを伝えてください。年齢や性別、持病の有無なども、救急隊や医療従事者が適切な処置を判断する上で役立ちます。

電話口では、オペレーターの指示に従ってください。電話を切らずに、指示があるまで回線をつないでおくことが大切です。救急隊が到着するまで、患者さんのそばを離れず、可能な範囲で状態の変化を観察し続けてください。正確な情報と迅速な連絡が、救命の可能性を大きく高めます。

オーバードーズに関する相談窓口

オーバードーズで悩んでいる、またはその疑いがある場合、一人で抱え込む必要はありません。専門家や支援機関は、あなたの声に耳を傾け、適切なサポートを提供するための準備ができています。このセクションでは、精神科医、カウンセラー、相談ホットライン、支援団体など、利用できる相談窓口を具体的に紹介します。どこに相談すれば良いか分からない、という方のために、それぞれの窓口の特徴や利用方法を詳しく解説し、安心して支援につながるための道標となります。

精神科医・カウンセラー

精神科医や臨床心理士、カウンセラーといった専門家への相談は、オーバードーズやそれに伴う精神的な問題を根本的に理解し、解決していく上で非常に有効です。これらの専門家は、医学的知識や心理学的なアプローチを用いて、個々の状況に合わせた治療計画やカウンセリングを提供してくれます。

専門家を探す際には、かかりつけ医に相談して紹介してもらったり、地域の精神保健福祉センターに問い合わせたり、インターネットで「精神科 〇〇(地域名)」や「カウンセリング 〇〇(地域名)」といったキーワードで検索したりする方法があります。受診の流れとしては、まず予約を取り、初診では現在の状況やこれまでの経緯を詳しく話します。その後、診断に基づいた治療やカウンセリングが開始されます。秘密は厳守されるため、安心して相談できる環境が整っています。

相談ホットライン

匿名で24時間相談できる電話窓口や、SNS相談窓口は、今すぐに誰かに話を聞いてほしい、でも顔は見られたくない、という状況で非常に頼りになります。これらのホットラインは、専門の相談員が対応し、傾聴や情報提供、必要に応じて次のステップへの案内を行います。

例えば、いのちの電話やよりそいホットラインのような全国規模の電話相談窓口があります。また、近年ではLINEやチャットなどを通じたSNS相談も増えており、より手軽に、自分のペースで相談できるのが特徴です。各窓口の具体的な連絡先や受付時間については、厚生労働省のウェブサイトや、薬物依存症・精神保健に関する専門団体のウェブサイトで最新の情報をご確認ください。

支援団体

オーバードーズや薬物依存、あるいはそれに伴う精神的な困難を抱える人々を支えるために活動しているNPOや自助グループといった支援団体も数多く存在します。これらの団体は、同じような経験を持つ人々が集まり、互いに支え合う「自助グループ」や、専門家によるカウンセリング、回復プログラムの提供、社会復帰支援など、多岐にわたる活動を行っています。

支援団体を利用するメリットは、同じ悩みを抱える仲間との連帯感を得られること、そして回復への具体的なステップや生活の知恵を共有できることです。各団体のウェブサイトでは、活動内容、ミーティング(集会)のスケジュール、連絡先などが掲載されていますので、ご自身の状況やニーズに合った団体を探してみてください。

オーバードーズから抜け出すために

オーバードーズは、耐えがたい現実や感情から一時的に逃避するための手段となり得ますが、それは根本的な解決策ではありません。つらい状況に直面している方にとって、回復への道は決して平坦なものではないかもしれません。しかし、適切なステップを踏み、心のケアを丁寧に行うことで、この困難な状況から必ず抜け出し、健やかな生活を取り戻すことができます。このセクションでは、オーバードーズを断ち切り、新たな一歩を踏み出すための具体的な行動計画と、心の回復をサポートする方法について、希望を持って実践できる指針を提供します。

回復へのステップ

オーバードーズを繰り返さないためには、まずその根本原因を理解し、具体的な行動計画を立てることが不可欠です。第一に、オーバードーズに至るきっかけとなった状況や感情、つまり「トリガー」を特定することが重要です。これらを認識することで、回避策を講じることができます。次に、トリガーに直面した際に、オーバードーズ以外の健康的な代替行動を確立します。例えば、信頼できる人に話す、気分転換になる活動をする、リラクゼーション技法を試すなどが考えられます。回復は一朝一夕には進まないため、小さな目標を設定し、達成するたびに自分を認め、徐々にステップアップしていく段階的なアプローチが効果的です。このプロセスでは、一人で抱え込まず、専門家(医師、カウンセラー、支援団体など)のサポートを積極的に求めることが、回復を確実なものにする鍵となります。

心のケア

オーバードーズの背景には、しばしば深い精神的な苦痛が隠れています。慢性的なストレス、強い孤独感、過去のトラウマなどが、薬物への依存を引き起こす要因となることがあります。これらの感情に適切に対処し、心の健康を回復させていくことは、オーバードーズからの長期的な回復に不可欠です。日々のストレスを軽減するために、マインドフルネス瞑想や深呼吸などのリラクゼーション技法を習慣化することが推奨されます。孤独感を和らげるためには、信頼できる友人や家族とのつながりを深めたり、同じ経験を持つ人々が集まるサポートグループに参加したりすることが有効です。トラウマを抱えている場合は、専門家の助けを借りながら、安全な方法で感情を処理していくプロセスが重要になります。また、自分自身の価値を認め、肯定的な自己認識を育むことも、心の回復を支える強力な柱となります。

周りの人がオーバードーズで困っている場合

大切な人がオーバードーズ(過量服薬)で苦しんでいる姿を見るのは、計り知れないほどつらいものです。しかし、どのように接すれば良いか分からず、かえって関係を悪化させてしまうのではないかと不安になることもあるでしょう。このセクションでは、家族や友人として、オーバードーズに苦しむ人をどのようにサポートすれば良いか、具体的な接し方や注意点について解説します。相手を責めるのではなく、理解と共感をもって寄り添うことが、回復への第一歩となることを伝えます。

家族ができること

家族として、オーバードーズをしている本人に対して、どのように声かけをし、どのようなサポートを提供できるかは、回復への道のりで非常に重要です。まず、本人の状況を冷静に把握し、非難や責めるような言葉遣いを避けることが大切です。「心配している」「力になりたい」という気持ちを率直に伝え、安心できる環境を提供しましょう。具体的なサポートとしては、オーバードーズや依存症に関する正確な情報を提供したり、専門機関(医療機関、精神保健福祉センター、自助グループなど)の受診や参加を穏やかに勧めたりすることが挙げられます。本人が話を聞いてほしい時には、じっくりと耳を傾け、感情を受け止める姿勢を示すことで、精神的な支えとなります。また、家族自身も孤立しないよう、家族向けの相談窓口やサポートグループを活用することも、本人の支援につながります。

友人としてできること

友人として、オーバードーズをしている本人にどのように寄り添い、支援できるかは、その関係性だからこそできることがあります。まずは、相手が安心して話せる、信頼できる存在であることを伝えましょう。深刻な悩みを抱えている友人に対して、批判的にならず、ただ静かに話を聞くことが、何よりも大きな助けとなる場合があります。一緒に相談窓口や支援機関を探したり、受診に付き添ったりするなど、具体的な行動を共にするのも良いでしょう。友人が孤立しないよう、定期的に連絡を取ったり、気分転換になるような活動に誘ったりすることも大切です。ただし、友人の問題に一人で抱え込まず、必要であれば専門家や他の信頼できる大人に相談することも、友人としてできる賢明な支援の一つです。

オーバードーズに関するQ&A

オーバードーズ(OD)は、精神的な苦痛や一時的な感情の爆発から衝動的に行われることが多く、その背景には複雑な要因が絡み合っています。しかし、オーバードーズに関しては、いまだに誤解や偏見が多く存在し、適切な理解を得られていないのが現状です。本セクションでは、オーバードーズに関するよくある疑問とその回答をQ&A形式でまとめ、読者の皆様の疑問を解消し、正しい知識を深めていただくことを目指します。社会的な偏見をなくし、正しい理解を促すとともに、必要とされる方々が安心して専門家のサポートにつながれるよう、具体的な相談方法についても詳しく解説します。

よくある誤解

オーバードーズに対する社会的な誤解は、当事者をさらに孤立させ、回復への道を閉ざしてしまうことがあります。ここでは、よく耳にする誤解を取り上げ、専門的な観点からその実態を明らかにしていきます。

  • 「ODは甘えだ」という誤解: オーバードーズは、決して本人の意思の弱さや「甘え」からくるものではありません。多くの場合、耐え難い精神的な苦痛、絶望感、孤独感、あるいは感情をコントロールできないほどの強いストレスなど、深刻な心理的問題を抱えているサインです。自己破壊的な行動は、感情を一時的に鈍らせたり、現実から逃避したりするための一種の「対処法」として選択されてしまうことがあります。これは、本人が「楽になりたい」と願う切実な叫びであり、甘えとは全く異なる、助けを求めるサインとして理解されるべきです。
  • 「一度きりなら大丈夫」という誤解: 「一度だけなら、依存症にはならない」「大したことはない」といった考え方も誤りです。オーバードーズは、たとえ一度きりであっても、身体的・精神的なリスクを伴います。命に関わる危険性はもちろん、その行為自体が、根本的な問題解決にはならず、むしろ問題が悪化するきっかけとなることも少なくありません。また、一度経験することで、再び同じような状況に陥りやすくなる心理的なメカニズムも存在します。オーバードーズは、その頻度に関わらず、深刻な問題として捉え、適切な支援を求めることが重要です。

専門家への相談方法

オーバードーズは、一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けることが回復への第一歩となります。ここでは、どのような専門家がいて、どのように相談すればよいのか、具体的な方法を解説します。

  • 相談先の種類:
    • 精神科医・心療内科医: 薬物療法や精神療法を通じて、精神疾患の診断・治療を行います。オーバードーズの背景にあるうつ病、不安障害、パーソナリティ障害などの治療に不可欠です。
    • 臨床心理士・公認心理師(カウンセラー): 心理療法(カウンセリング)を通じて、問題の根本原因を探り、感情の調整方法やストレス対処法などを一緒に見つけていきます。
    • 精神保健福祉センター: 各都道府県や政令指定都市に設置されており、精神保健に関する相談や情報提供、専門機関への紹介などを行っています。無料で利用できる場合が多いです。
    • いのちの電話などの相談ホットライン: 緊急時や、すぐに誰かに話を聞いてほしいときに、匿名で利用できる電話相談窓口です。24時間対応しているところもあります。
    • 自助グループ: 同じような経験を持つ人々が集まり、互いに支え合う場です。匿名性が保たれ、安心して話せる環境があります。
  • 相談する際の準備:
    • 相談したい内容の整理: いつ、どのような状況でオーバードーズをしてしまったのか、その時の感情や考え、そして何に困っているのかを、できるだけ具体的にメモしておくと、相談がスムーズに進みます。
    • 緊急連絡先の確認: 万が一、相談中に体調が悪化した場合などに備え、信頼できる家族や友人、または救急車(119番)などの連絡先を把握しておきましょう。
    • 予約の確認: 医療機関やカウンセリング機関では、事前の予約が必要です。ウェブサイトや電話で確認し、希望の日時を伝えましょう。
  • 相談時に期待できること: 専門家は、あなたの話を否定せず、共感的に耳を傾けてくれます。そして、あなたの状況を客観的に評価し、原因となっている心理的な問題や、オーバードーズに至るメカニズムを一緒に解き明かしていきます。その上で、あなたに合った具体的な解決策や、ストレスとの向き合い方、感情のコントロール方法などを提案し、回復に向けたサポートを提供してくれるでしょう。相談は秘密厳守で行われるため、安心してご自身の状況を話すことができます。

最後に
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